震度x
もう少し先の反対側にある病院には、何故かショベルカーが2台あった。

そしてよく見れば、看護師がたくさん外に出ていて、何やら慌てているようだった。



道路はいつになく渋滞している。


もう少し歩いていくと、その渋滞している車の、ある車の助手席の人が窓を開けて私達に話しかけてきた。



「すいません」


「は、はい」


「今までで水出てる所ありました?」


「あ、いえ、なかったです」


「あ、そうですか。ありがとうございました」


「いえ……」



助手席の人は男性だったので、初めは何を聞かれるのか分からなくて少し戸惑った。


でもその質問と、車をよく見ると、市の水道局の人だった。


こんな状況の中、少し役に立てて嬉しかった。



「やったね、役に立てたよ!」


「だねー」



そんなことを言いながら、笑いあった。



……というか、私達は帰り道、何故か常に笑っていた。



さらに進んで坂を下り、反対側に渡って橋を渡る。


橋は繋ぎ目がずれ、どちらかが上がってどちらかが下がっている。

交通整備の為に、警察もいた。



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