震度x
警察の方々のおかげで、私達はすんなりと反対側、橋の方に渡ることができた。

警察って大変な仕事だなぁと思いつつ……



それからはガタガタになった橋の歩道を歩いていく。

会社員にたくさんすれ違った。


空は雲が多く、いい天気とは言いにくいけど、太陽が出ていて晴れていた。


そんな空を見ていると無性にいらついた。


なんでこんな時に晴れ晴れとしてんだよ、ふざけんな、って。



加えて風が強く吹いている。


風が強すぎて、膝丈のスカートが翻る。

それを見た私は、すかさずこう言った。



「被災地のマリリン・モンロー(笑)」



別にふざけて言ったわけじゃない。


ただ笑うしかなかった。


笑わなかったら、泣きそうだったから。

恐怖が蘇ってきそうだったから。


だから笑えることを言って、この場を何とか乗り切りたかった。


友達も笑ってくれたし、一人じゃなかったから、その時怖くはなかった。



そういえば、この一緒に帰った友達は、グラウンドに避難する途中で膝を怪我した友達。


少し気遣いながら、どんどん前に進んでいった。



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