震度x
緩やかな坂を上っていく。


そういえば、わりとすれ違う人が多い。

それは会社帰りのサラリーマン風な人から、学校帰りの親子連れなど。


何かから逃げているのかな、と思った。



「○○小の体育館が駄目なんだってー」



そんな中で、すれ違う親子の会話を聞く。

こうして私は情報収集をした。



消防車やパトカーのサイレンが遠くで鳴り響いている。

でもそれは背後から聞こえているものだった。




どうなってるんだ、この世界は――?



歩いていて、途中で電灯や何かが揺れているのを見ながら、時々そんなことを思った。


日本という国が地震大国なのは知っていた。

昔から、大地震が起きていたことも知っていた。


何がどうなって、こうなったんだろう……


平生でなくなりつつも、冷静にそんなことを考えていた。


でも、あの揺れを思い出すと不安になった。


今、外で、また大地震が起きたらどうしよう、と。



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