震度x
でも幸い、今のところは歩いていても感じないほどの余震が何回も起きている程度だった。



坂を上りきる直前で、私の通う高校の近くにある高校の女子高生が前に現れた。

三人、リュックを背負い、コートを着て歩いている。


当然、私は羨ましく思った。


私はマスクとケータイぐらいしか身に付けていない。


いいなぁ、と思いながら、私はその三人を抜かした。



さっきから時々、歩きながらやっていることがある。

メールの新着確認だ。


それをやっていると、たまにメールが入ることがある。

母からのメールはそうはできないので、返信を待ち、ケータイのバイブが鳴ったら返す、をしていた。



そうして歩くうちに、ようやく私が安全だろうと考えていた道の交差点が目に入った。


やっと着いた、と思いながら、その道を覗き込み、大丈夫だと思って曲がった。



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