震度x
どうして安全だと思ったかというと、その道は去年開通したばかりだったからだ。

まだ新しいし、何より周りに落ちてきそうなものがない。


曲がれば左は石で固められた崖のようなものだったけれど、この辺りの地形からして、そんなことは気にしなかった。


この道も、入口付近は上り坂だ。



この時点、いや、友達と別れた交差点を真っ直ぐ来た時点で、すでに私は相当遠回りをしている。


面倒だし歩くのが疲れるけれど、この日はわりと疲れず、安全面を考えたらこうするしかなく……



ふと耳にしたのは、車から流れるラジオの声。

電気が止まっている為、車のラジオをかけているらしかった。



案外この道は長く、車も人もあまり通らない為、さらに長く感じた。


車だとほんの十分かかるかかからないかという道程を、歩きだと何十分もかかる。


早く早く早く……


と何度も心の内で唱えながら、私はようやく半分くらいまで来た。



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