震度x
帰宅と避難
「はいよー」



同時に、スリッパを履いてパタパタと階段を降りる音がした。

どうやら2階にいたらしい。


おばあちゃんが現れると、ほっとした。



「大丈夫?」



そう心配しながらも、靴を脱いで家の中に上がる。

するとおばあちゃんがスリッパを私の足元に置いた。



「食器割れてて足危ないから履いてなって、お父さんが」



父が来た時にそう言っていったのだそう。


台所の方を見ると、食器棚から落ちたほとんどの食器が割れていた。

足の踏み場がない程、ごちゃごちゃしている。



リビングに入ると、奥の棚の上に飾られていた賞状や盾や人形がこたつに置かれていた。


電気のカバーが落ちたのか、なかった。



座敷を見ると、ガラス張りのケースに入った人形が落ちている。

畳に敷かれたカーペットにガラスが飛び散っているみたいだった。


奥の座敷もごちゃごちゃしていて、何がどうなっているのか分からない。



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