震度x
家に着いてから玄関で鍵を開けている時も、余震があった。

その時も私はパニックになって、家に入ろうとしなかった。


その一回の余震が終わってから、真っ暗な家に入った。


スリッパを履いてリビングへ行き、コートを脱いだり着替えたりした。

私は制服だけ脱いで、上はワイシャツとセーター、下はジャージという格好になった。


おばあちゃんが奥の座敷にある仏壇の方から、お盆用の蓮みたいな形をしたろうそくを持ってきた。


電気がつかないから、それをつけようということだ。



少し経ってから、リビングで寝よう、ということになった。

初めに帰ってきた時に見た二階の様子を考えて。


私の部屋の前の本棚はずれ、色々落ちていた。

私の部屋は棚がずれて入口が塞がれていたり、電気のカバーが落ちていたり。

端の本棚からは中身がほぼ全部出てごちゃごちゃで、ベッドもずれていた。


母と父の寝室はというと、ドアが開かなかった。

無理矢理開けようとしても、びくともしなかった。



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