「 俺の彼女になってみる? 」
夢の王子様は
イケメンで優しくて
強くて
完璧な人。
そんな人を探しに
この高校にやってきました
そんな調子で入学から半年が経ち
学園祭の時期。
イケメン探しに、と学園祭委員になりました
「 沢って本当物好き 」
親友の
愛 澤 葉 月 あいざわ はづき ♭
クールで照れ屋。
「 いやいやいや!
王子様を探すためなら! 」
「 王子、王子って
いつまで引っ張るんだよ 」
こんなしょうもない私に付き合ってくれる葉月は
毒舌で冷静で鬼だけど
優しいんです
「 今度こそ!
今度こそ見つける 」
私は意気込んで、放課後の廊下を走った
委員会があるので会議室へ。
「 失礼しま-す 」
少しひんやりとした会議室
誰もいない
「 早く来すぎたか 」
シーンとした部屋。
何ですかね、ここ。
静けさが私を場違いと言ってる
「 お前、委員? 」
声のした方を振り向くと
王 子 様 。
葉月!見つけたよっ!
やっと...やっと。
「 はっ、はい 」
「 ふ-ん 」
会話が続かない
俯いていると彼はクスクスと笑い
そこら辺の椅子に腰をかけた
「 可愛いね、君。 」