「 俺の彼女になってみる? 」
「 いやぁ、別に。 」
葉月はクルッと方向を変えて
歩き出した
「 え、え、何それっ 気になる 」
葉月は黙ったまま歩いていく
追いかけようとしたとき、後ろから呼ばれた
「 沢! 」
ああ、きっと
先輩だ…。
「 これ、資料 」
パサ、と渡されたのは委員会の資料。
「 沢、頑張ろうな 」
先輩はニッコリ笑った。
ああああ、その笑顔は反則です
「 は、はいっ 」
恥ずかしくて目が合わせられなくて
葉月を追いかけた。
「 葉月っ!
やっぱかっこいいよ、先輩 」
「 知らないよ? 」
「 噂なんかに負けないもんっ 」
葉月はハアと溜息をつき
私の頭を撫でた
「 女好きなんだって。
あの先輩は。 」