どんな君でも
お店を出て通りを歩く。
「ねぇ。」
「うん?」
「手、繋いでもいい?」
彼の表情を伺いながら聞いてみると、一瞬少し驚いた顔をしたがすぐ微笑んだ。
「いいよ。」
わーいっ。
その一言が嬉しくてギュッと握る。
すると、ギュッと握り返してくれた。
「あそこ、見てもいい?」
今度は、さっきよりも小さくて木製品の多い雑貨店を指差した。
「いいよ、行こうか。」
留衣は雅也の手を引いて少し小走りで店の中へ入った。
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