年下王子は意地悪王子
そんなことを考えていたら、目の前の彼がいきなり吹き出した。
「――ッくく」
喉の奥を震わすように笑う彼に、今度はあたしがキョトンとしてしまう。
な、何?
「…っお前、最高」
切れ切れにつぶやいた彼の言葉に首を傾げる。
最高?
何それ。
もうほんとに意味わかんない…
涙なんてもうとっくに乾いてしまったあたしは、とりあえず彼の笑いが収まるまで待つことにした。
と、そんな時。
「―――……あ」
下校を告げるチャイムが校内に鳴り響いた。
何となしに天井を見上げ、今日は颯ちゃんに送ってもらおうか、なんて考えていた。