年下王子は意地悪王子
えっ……な、何で?
「なぁんだ。そんなこと」
ハハッと笑う美波に、ずいっと顔を近づける。
「そ、そんなことって…!」
プンスカと怒るあたしを美波がどうどうと宥める。
無理やり椅子に座らされ、頬を膨らますあたしを見て美波は苦笑い。
「大丈夫よ、琴音。あんたの愛しい颯ちゃんは怒ってるんじゃないわ」
さらりとそう言ってのける美波。
当然猛反撃をしかけるあたし。
「な、何でそんなこと分かるの!?それに、い、いい愛しのって…!」
自分で口に出しておいて、カァッ…と顔が赤くなるのが分かる。
そんなあたしを見て、美波はニヤニヤと笑う。
うぅっ………
恥ずかしい…