年下王子は意地悪王子





「む、無理ぃ!」



「うん。だと思った」




少し表情を歪め、颯ちゃんは笑った。




「俺が行けばいいんだけどな。今手が離せないんだよ」




そう話す颯ちゃんの机の上には、たくさんの書類が。


確かに忙しそう。



………だけど。




「それだけは嫌っ!いくら颯ちゃんの頼みでも…」




絶対に行きたくない!


だって、だって…!




「幽霊が出たらどうするの!?」





―――そう。



この学校の七不思議のひとつに、“幽霊のでる図書室”っていうのがある。


普通化学室とかなのに、なぜか図書室。


それが逆にリアルっぽい。
< 4 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop