年下王子は意地悪王子
「む、無理ぃ!」
「うん。だと思った」
少し表情を歪め、颯ちゃんは笑った。
「俺が行けばいいんだけどな。今手が離せないんだよ」
そう話す颯ちゃんの机の上には、たくさんの書類が。
確かに忙しそう。
………だけど。
「それだけは嫌っ!いくら颯ちゃんの頼みでも…」
絶対に行きたくない!
だって、だって…!
「幽霊が出たらどうするの!?」
―――そう。
この学校の七不思議のひとつに、“幽霊のでる図書室”っていうのがある。
普通化学室とかなのに、なぜか図書室。
それが逆にリアルっぽい。