ダイヤモンド


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――…



何杯か強めのカクテルを飲んだせいで、足元がふらつく。



ふらふらとした足取りでトイレへ向かう。





お店の奥にあるトイレについて、扉を開けようとすると、不意に誰かに腕を捕まれた。





……………?



振り向くと、彼が立っている。




「…チアキ…?どーしたの?」



「もう、今日は酒は止めとけ。真っ直ぐ歩けてないぞ。」



「…いーでしょ。チアキに関係ない。」





心配されて、嬉しいくせに、素直になれない…



バカな私。





「顔も赤いし、目も潤んでる…。」



「お酒のせいだから、しょーがないじゃん。ちゃんと久史(ヒサシ)さんに送ってもらうから大丈夫。」



「……そっか…」







そっと腕を離されて、彼の温もりが遠くなる。






それが寂しくて、また、優しい彼にワガママを言う。








「ねぇ……次の土曜日、大丈夫?」









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