ダイヤモンド
目の前のテーブルに大きなケーキが置かれる。
25本のロウソクを無理矢理全部刺した彼に笑ってしまった。
「ハッピバースデートゥーユー♪ハッピバースデートゥーユー♪ハッピバースデーディーア美―沙―♪ハッピーバースデートゥーユー♪」
電気を消して、二人で笑いながら歌った後、私はロウソクの火を消した。
電気をつけた彼は私におめでとう。と言ってキスしてから、もう一度ロウソクに火をつけ始める。
「ん?どーしたの?食べないの?」
「美沙がオレの一生のお願い聞いてくれたら食べる。」
再び電気を消された。
テレビも消す彼。
静かな部屋に、ロウソクの火だけが輝く。
「一生のお願い?私のお祝いなのに、篤史のお願いきくの?」
そーいえば、帰ってきて冷蔵庫に食材いれてた時も“ケーキはオレのお願い聞いてくれたら食べる”って言ってたような…