ダイヤモンド
結局、ケーキは次の日の朝までお預けだった。
でも、ケーキよりも甘い夜を過ごした私達。
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「……美沙…っ」
何度も優しく名前を呼ぶから、涙が止まらなかった…
彼からもらった指輪を指で感じる。
「…もう…いい?」
いつも通り尋ねてくる彼に、クラクラする意識の中頷いた…
そっと頬を撫でられて、彼を見つめると切なそうに瞳が揺れるのがわかる…
「ごめん。……ほんとは……たまに…ゴムしてなかった…」
一瞬、なんのことか分からなかった。
「……え?」
もしかして、昨日私があんなこと言ったから…?
「自分じゃ抑えきかなくて……いや、嘘ついた。ほんとは最近ゴムつけてないことの方が多い………」
目の前が涙で滲む。
言葉が出ない……
「ごめん……。もし、美沙が妊娠したら、美沙をずっと自分のモノにできるのに…とか思ってた……」