Last Love
「さ、入るぞ」
そう言って、鍵をガチャガチャしてる爽麻をじっと見てた。
家に入ると、不思議な気持ちになった。
…なんだろう。
家に帰るっていうのが、慣れてないからなのかな。
今まで、ずっと1日中外にいたから、変に思うのかな。
家がある、っていいな。
帰る場所があるのって、すごく嬉しいし安心する。
爽麻と出会ってなかったら、こんなこと気付かないままだったんだろうね。
…損しなくて良かった。
「爽麻、ありがと」
「いいえー」
いきなりお礼を言ったのに、理由も聞かずに適当に返された。
…でも。きっと伝わってる。あたしはそう思いたい。