Last Love
それからあたしは、記憶をさがすのに集中し始めた。
爽麻の家の近くを、行くところも決めずに歩いていた。
暗闇に自分だけしかいないような、そんな気持ちになる。
今まで生活してたときは、明るい場所ばかりにいた。
夜も、明るい場所を選んで朝が来るのを待っていた。
…暗闇は、怖い。
はっきりとした理由はないんだけど。
ずっと…その理由をさがそうとしてなかった。
その答えを知ってしまったら、全てが分かる気がするんだ。
知りたいけど、知ってしまった後が怖い。
だから今まで、どこかで避けていたんだと思う。
…心のどこかで、気付かないうちに拒否していた。