Last Love
「殺さないでっ!!」
自分の声に驚いて、バッと目を開けた。
目を開けても広がってるのは、暗闇。
苦しい…苦しいよ。
「どうしたのシオリちゃん!?」
あたしの視界に、圭君の顔が映った。
その顔は本当に心配そうで、焦っていた。
でも、傍に誰かがいるのが分かって、あたしはホッとした。
「何で泣いてるの!!?」
そう言われて初めて、自分が泣いているのに気付いた。
心配してるから何か言わなきゃって分かってるけど、声が出ない。
「シオリちゃん!!?」
目の前にいる圭君が、あたしの名前を必死で呼んでる。
…その声が、遠くに聞こえた。