Last Love
「無理に話さなくてもいいんだよ。」
圭君が優しい声でそう言ってくれた。
…だけど。心配かけて、理由を話さないわけにはいかないよ。
「あたし、暗闇が怖いの。その理由は、知りたいけど、知るのが怖かった。」
「………」
「…きっと、分かってたの。暗闇が怖いのは…自分の死に関係してるってこと。」
独り言みたいに、ぽつんと呟く。
黙って聞いてくれてるのが分かった。
誰にも話すことがないと思ってたのに…。
その日がやって来るなんて。
「だから、思い出さないように、あたしは避けてきた。暗闇が存在する場所には絶対に近付かなかった。体が勝手に反応してたんだと思う。」
2人に分かるように話せてるのかな。