Last Love



それから、お互い何も話さないまま家に着いた。




あたしは顔を上げずにソファに座った。




泣いてるのバレてないのかな。




「シオリ」




胸が、ドキッとした。




動いてない心臓が、跳ねたみたいに。




爽麻と出会ってから、あたしには不思議なことばかりが起こる。




「なに?」




どうして名前を呼ぶの?



「こっち見ろ」




あたしの前にしゃがんだ爽麻が、そう呟いた。




爽麻の言葉に、あたしは素直に従った。







< 176 / 429 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop