Last Love
「…聞こえてんのか?」
黙り続けてるあたしを見て、彼は眉間に皺を寄せてる。
いや、ちゃんと聞こえてます。
…って、おぉ。その顔も絵になる。
なんて、そんなこと考えてる場合じゃないんだった。
どうやらこの人は、怒ってるみたいだし。
何に対して怒ってるかはよく分かんないけど。
とりあえず、慌てて木の上から地面に降りる。
…背、たかっ。
彼はかなり身長の高い人で、あたしは見上げないと視線が合わない。
まぁ、あたしは小さいけどね。
「落ちたらどうすんだよ。」
ぶっきらぼうなその声は、彼に似合ってた。
なんか、すっごく緊張する…。