Last Love



「…聞こえてんのか?」




黙り続けてるあたしを見て、彼は眉間に皺を寄せてる。




いや、ちゃんと聞こえてます。




…って、おぉ。その顔も絵になる。




なんて、そんなこと考えてる場合じゃないんだった。




どうやらこの人は、怒ってるみたいだし。




何に対して怒ってるかはよく分かんないけど。




とりあえず、慌てて木の上から地面に降りる。




…背、たかっ。




彼はかなり身長の高い人で、あたしは見上げないと視線が合わない。




まぁ、あたしは小さいけどね。




「落ちたらどうすんだよ。」




ぶっきらぼうなその声は、彼に似合ってた。




なんか、すっごく緊張する…。






< 3 / 429 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop