Last Love
5分
「爽麻…」
ゆっくりと振り返りながら、名前を呼ぶ。
爽麻は何も言わずに、ただ頷いた。
優しすぎるくらいの瞳で。
あたしは爽麻の胸の中に飛び込む。
…でも、体は爽麻の体温を感じない。
触れられない、その温かい体温。
泣きそうになりながら、爽麻を見上げると。
爽麻は、あたしの体の周りに手を回した。
それは、まるで抱きしめられてるみたいに。
触れてないはずなのに、あったかい。
爽麻の魔法だね、きっと。