Last Love
その木の上に降りると、教室が確かに見えた。
でも、学年が分からない。
キョロキョロとさがしてみたけど、爽麻の姿も見つからない。
やっぱりムリかぁ…。
普通に、爽麻と一緒に学校に行けたらよかったのに。
その“普通”は、あたしが幽霊である限り、叶うことはない。
だから、“普通”なんてもの、求めちゃいけない。
…分かってるよ。ちゃんと分かってる。
でも、どうしてだろう。
求めたくなってしまう。
だから、その“普通”が送れるのは、うらやましい。