運命って信じる?


「あ、もしかして髪が長いから気がつかなかった?私、魔界に来ると髪が長くなるの。それも…お城の近くに来たら、だけどね…。」

「…?なんで?」


質問するとアリスはすぐに暗い顔になった。


「…お父様が私にこうなる呪いをかけたの。逃げられないように…。そう、まるでこの髪が重く冷たい鎖のように…。」

「……ごめん。」


質問した事に後悔した。


でも、アリスが顔をあげた時には普段の明るい笑顔に戻っていた。


「いいの、いつか言おうと思ってたから。丁度良かったわ。」


そう言ったアリスだけど、その表情はどこかが苦しく見えた。




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