最初最後彼氏!





「お疲れさまでしたー。」

「お疲れさま。」

そして、バイトも終わり着替えて外に出る。

「遅いぞ!奈美!」

すでに翔平は着替えてあたしを待っていた。

「ごめんごめん。ってか、女は着替えに時間がかかるの!」

「・・・女ってよくわかんねぇ。」

「分からなくてもいいもん。」

「んじゃ、帰るか。」

「・・・うん。」

少しの間、話をしなかった。

人気のあまりない道路を歩いているとき、翔平が口を開いた。

「なぁ、いきなりだけどさ、別れたって本当かよ?」

やっぱりきた。この質問。

でも・・・、翔平にはちゃんと話さないとダメだよね・・・。

「うん。別れちゃった。・・・あたしが浮気したから。」

「はっ?浮気?」

「雄以外の人とキスしちゃったの。」

翔平は少し黙り込んでしまった。

「・・・それってさ、奈美の意志もあったの?」

「ううん。呼び出されて、話してたらいきなり・・・。」

本当にいきなりだったもん。だから、避けることすら出来なかった。

「・・・それ、浮気じゃねーじゃん。確かに他の奴とキスしたのはまずいけど、無理矢理でいきなりだったんだろ?悪いの、キスした奴じゃん。奈美は悪くねーよ。」

「でも、もう別れちゃったからどうでもいいの。婚約者さんもいるし。雄はモテるから新しい彼女、もういるのかもね!」

無理してるのバレるかな?

「奈美・・・。」




えっ・・・?



途端に翔平の香りに包まれた。





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