最初最後彼氏!
「・・・雄の親が、雄のこと留学させようとしてるのは知ってますか?」

「えっ・・・?」


やっぱり。知らなくて当然だよな。

俺だって最近まで知らなかったんだし。


「それ・・・、本当なの?」


一見、悲しそうな顔をするこの人。

これで雄のこと諦めれば・・・。

「すっごくいい情報じゃない!素敵な情報を教えてくれてありがとう♪」

・・・は?えっ?

今、喜ぶところだっけ?違うよな?

なんでだ?

「雄くんが留学したら、周りには女はいなくなるんだよね?それって最高じゃない!雄くんを独り占め出来るってことよね!?・・・素晴らしいわ!」


・・・この人、頭おかしいのか?

確かに留学中は日本人の女はいなくなるけど、独り占めってわけじゃねぇだろ。

「あのっ、」

「修斗くんとは、いいお友達になれそうね♪」

といって近づいてくるこの女。

はっ?って思った瞬間。

唇に温かいものが触れた。

佐山花恵さんの唇だった。



俺、なんでこの人にキスされてんの?



唇が離れると同時に口を開いたのはこの人だった。

「ねぇ、君、初めて?」

は?意味わかんねぇし。

「やめて下さい。俺、あんたみたいな人とそう言うことしたくない。」

「初めてではないんだ。」

俺は警戒するように距離をとった。

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