最初最後彼氏!
「・・・で?なんだよ。話って。」

「あの・・・。」


なんで?思うように言葉が出てこないの・・・?

「・・・用がないなら帰るぞ。」

「・・・待って・・・。」


家の塀に寄りかかってため息をつく雄。

雄がついたため息が白い。

もう冬なんだ・・・。


付き合い始めた当時に

「クリスマスとか記念日はあけとけよ。」

って言われたことを思い出した。


もう少しでクリスマスなんだ・・・。




「雄。雄が好きです。もう一度付き合ってくれませんか?」

一瞬。あたしの血が止まったような感覚になった。

雄は驚いてあたしを見る。

「嫌いなら、はっきり振って?ちゃんとけじめつけたいの。」

「俺は・・・。」

10秒ほど沈黙が続く。

「やっぱり、もう無理だよね。・・・ごめん。」

もう、雄のことは諦めよう。

やっぱり、もうダメなんだよね。

「変なこと言ってごめんね。・・・帰るね。バイバイ・・・。」



全てリセットするんだ。

雄と出会う前の状態に。





あたしが後ろを向いて少し歩き出したとき。

「お前は・・・誰を見てた・・・?」


えっ・・・?

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