最初最後彼氏!
「俺は・・・、ずっとお前を想ってた・・・!お前と別れて、俺は独りだった。
 花恵も、周りの奴らも、俺の外見しか見ていなかった・・・。
 だからこそ、俺の全部を見てくれたお前が余計に愛しいって思ったんだ・・・。
 もう手遅れなのに・・・。」


・・・そっか。雄はあまり友達をつくらなかった。

あたしには、美奈や翔平がついててくれた。

けど、雄にはそんな存在がいなかった。


「あたしじゃ・・・、雄の心の近くにいれないかな・・・?」

「だけどまたっ!・・・お前を傷つけたくないんだ・・・!」

「言ったでしょ?雄の為ならなんでもできるって・・・。
 雄と一緒なら大丈夫。あたし、強くなったんだよ・・・?」


ふいに、頬が濡れた。

顔を上げると、


・・・雄が泣いていた。


「俺なんかでいいのか・・・?」

「・・・あたし、気付いたの・・・。雄じゃなきゃダメなんだって。」


抱きしめる力が強くなった。


「奈美・・・、・・・好きだ。・・・俺と、もう一度付き合ってくれないか?」

あたしの返事は決まってる。答えはひとつ。

「・・・はい・・・。」


あたしから、少し離れた雄。

あたしは雄の涙を拭った。

雄もあたしの頬を指で拭いた。

・・・あたしも泣いてたんだ・・・。






そして、あたし達はどちらからともなく、

キスをしていた。


キスをする寸前。

「もう、離さない・・・。」

と雄は言った。


もしかしたら、誓いのキスだったのかもしれない。

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