最初最後彼氏!

通じた心と悪夢と真実

雄とのキスはあたしの心を暖めてくれる魔法のキス。

安心する・・・。


「奈美・・・。ここじゃ寒いだろ?入っていかないか?」


今は9時半。

あたしの家には親はいないから帰るのは遅くなってもいいか♪


「うん!おじゃましていいの?」

「いいよ。俺もひとり暮らしだって前に言ったろ?・・・ほら。こいよ。」


優しく包み込むように手を繋いでくれる雄。

全く・・・。家に入るだけなのに(笑)

でも、あたしも望んでたから嬉しかった。

元に戻ったら雄と手を繋ぎたかったの。


なんで分かっちゃうかなぁ、あたしの考えてること。


「とりあえず部屋で待ってろ。温かい飲み物もってくる。」

「うん。・・・でも・・・。」


久しぶりだし、甘えてもいいよね・・・?


「ん?どした?」

「できるだけ早く来てね・・・?」


驚いた表情の雄。

言わなきゃ良かった。と後悔したのも束の間。

ギュッと抱きしめられた。

そして、顔だけ離して雄は言う。


「なに?襲われたいの?(笑)誘ってるようにしか見えねぇよ?」


襲っ!?誘ってる!?誘ってないよ!?ただ・・・。

寂しいな、って思ったから・・・。


「ふーん。寂しいの?俺がいないと寂しいんだ。」


目の前に不適に笑う私の彼氏。

軽く危険。

・・・ん?寂しいって言ったっけ?


「あたし、寂しいって言った?」

「気付いてなかった?ボソボソって言ってた。
・・・すぐ行くから俺の部屋でおとなしく待っとけ。」


耳元で囁く。

自分でも顔が熱いと感じる。


真っ赤になった頬を両手で押さえながら、

雄の部屋に向かった。




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