最初最後彼氏!
あっ。そういえば・・・、気になることがひとつ。


「ねぇ雄?ひとつ聞いても良いかな・・・。」

「ん?」

「あたしが来る前に・・・、その・・・。」

「あいつとは何もねぇよ?」


え?・・・なんで分かるの?

あたしまだなにも言ってないのに・・・。


「あいつがいきなり家に来て勝手に上がり込んで『ヤろ?』とか言ってきたけど、あいつとなんて死んでも嫌だったから『帰れ』って追い出したんだよ。そしたら、奈美。お前とあいつが出くわしたってわけ。」


じゃあ、花恵さんは嘘をついたってこと・・・?

どうして自分も雄も傷つけるような嘘をつくの?

分からないよ・・・。


「正直言うと奈美達のやりとり、俺2階の窓から見てたから。あいつがキレ始めて、そろそろやばいなって思ったから俺は奈美を助けに行った。」


好きな女を傷つけるわけにいかねぇしな、と雄は笑う。


「雄・・・。」


あたしから雄に抱きつく。

ギュッと離れないように。


「大好き・・・。」


すると、雄はあたしを強く抱きしめ返しながら


「俺は・・・、愛してる。」


と囁いた。



そして、長く温かいキスをひとつ落とした。


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