最初最後彼氏!
あれから恥ずかしくなって、また黙り込んでしまったあたしたち。


「んだよ・・・。なんか言えよ・・・。」


えぇ!?いきなりあたしに話しふる!?

あぁ・・・、絶対顔赤い。

っていうか、なんか熱い・・・。


「・・・奈美?・・・っ!おまっ!熱あるじゃねぇかよ!?」


熱?そういえば、雄の家に来る前から少しだるかった

その時点でもしかしたら少し熱あったのかな・・・。

頭痛いし、ボーっとする・・・。


「奈美、大丈夫か!?今、体温計とか持ってくるわ・・・!」


お姫様抱っこでベットに寝かせてくれる。

だるくて降ろしてと言う気力がないから黙って横になった。


「奈美!持ってきたぞ。ほら、熱計れよ。・・・水も飲めるか?」


とりあえず熱を計る。

でも、水を飲む気にはならない。


「水・・・、飲みたくない・・・。」

「水分取らなきゃ熱下がんねぇよ。一口で良いから飲めって。」

「あとで飲むから・・・。」

「・・・しょうがねぇな。」


と言って、雄が水を飲んでしまった。

あとで飲むって言ったのにー!

・・・ってなんか、雄が近づいてきてるのは気のせい?・・・じゃない!


「んっ!」


いきなりのキス。

無理矢理こじ開けられた口から流れてくる水。

多分、さっき雄が飲んで・・・、いや、口に含んでたやつだ・・・。

ってことは・・・、これって口移しだよね!?


「飲んだな。」

「風邪・・・、うつっちゃうよ・・・?」

「俺が風邪ひいたら、お前が看病してくれるんだろ?」

「・・・うん・・・。」


そのときの会話はあまり覚えていない。

あっという間にあたしは眠ってしまった。


でも、


「早く治れよ・・・。」


という声と、唇にあたった柔らかい感触はなんとなく覚えてる。


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