最初最後彼氏!
えっ・・・。なんか悪いこと言ったかな・・・?

「ゆっ、雄・・・?あたしなんか言った・・・?」

すると雄はびっくりしたように顔を上げて言った。

「なんも奈美は悪いこと言ってないよ。ただ・・・。」

「ただ・・・?」

「なんか名前で呼ばれるの普通になってきてるけど、思った以上に嬉しいもんだなぁと思ってさ。」

名前・・・。良かったぁ・・・。あたしのせいで雄を傷つけたのかと思ったぁ・・・。

安心したらなんか目が潤んできた。

「奈美・・・。泣くなよ・・・。
 ゴメンな。」

「ううん。雄だって悪くないよ!」

そう言ってふたりで笑い合った。


それぞれあたしのAセットと
雄のBセットが運ばれてきた。

見た目は似てるけど、お肉が鶏と豚だったりして微妙に違う。

「奈美、それ一口ちょうだい。」

って言ってくるから

「はい!」

と言ってお皿を少し雄の方に寄せた。

でも、雄は箸で取らない。

「食べないの?」と聞くと、「奈美が食べさせてよ。」

と言って口を開けている。

仕方なく雄の口にお肉を運んであげると、

「うま!奈美がくれたから余計うまい。」

だって(笑)味なんてみんな同じなのに(笑)

「みんな味は同じだよ!」

「いや、奈美がくれたからおいしくなったんだ。」

訳の分からないことを・・・(笑)

< 33 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop