最初最後彼氏!
雄が選んでくれた白いシフォンのワンピース、ピンクのパーカーを着て、部屋を出た。

雄は部屋の前で壁によりかかっていた。

「雄。着替え終わったよ。」

「よし、したら行くか。」

と言って下におりていった。

急いで荷物を持って玄関に行く。

茶色のブーツを履いて外に出る。

雄は寒そうにポケットに手をつっこんでいる。

「行くぞ!」

雄はあたしの手をとって歩き出した。

歩いてる途中、雄が握っている手をゆるめた。

えっ・・・?なんか嫌だったかな・・・。

でも、雄はすぐに手を違う繋ぎ方にしてギュッと握った。

これって、恋人繋ぎだよね・・・?

なんとなく雄の顔を見てみると・・・、少し赤いのが分かる。雄も照れてるのかな?


駅まで行って電車に乗る。

もちろん手を繋いだまま。

そのままあまり会話をせず20分くらい電車に揺られ、少し小さな駅で

「ここだ。降りんぞ。」

まわりはあまり何もない殺風景な駅だった。

でも、うるさい都会と違ってすっごく静かな町。

「雄?ここってどこ?」

「まだナーイショ♪」

なんか機嫌がいい雄。ある意味不気味・・・(笑)

さっきの駅から15分くらい歩いただろうか・・・。

「もうすぐ着くぞ。」

・・・どこに?

すると、目の前に綺麗で大きな花畑が見えた。

「わぁ・・・!キレー・・・。」

雄はあたしを優しい顔で見てきた。

「気に入った?」

「うん!すっごく綺麗なところだね!!」

「だろ?ここ、俺の大切な場所なんだ・・・。嫌なことも辛いことも全部、ここに来たら忘れられる・・・。」

そう言う雄の横顔は、なんか切ないものだった・・・。


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