最初最後彼氏!
雄の甘い香りがする。

「雄?眠いの?」

「まだ眠くねぇよ。ただ、奈美にくっついていたい。」

それを聞いた瞬間、顔が赤くなるのを感じた。

耳元で囁いて言うもんだから赤いを通り越してるかもしれない。

雄の柔らかい茶色の髪があたしの頬に当たる。

・・・くすぐったいなぁ///

「奈美。こっち向いて。」

と言って少し抱きしめていた腕の力をゆるくした。

振り向くと、唇に柔らかいものがあたった。

キスされてる、そう感じたあたしはゆっくり目を閉じた。

「・・・奈美、口あけろ。」

でた、命令口調。

ゆっくりと口を開く。

少し開いた隙間から雄の舌が入ってくる。

だんだん大人のキスになっていく。

雄は全然余裕そうだけど・・・。く、苦しい・・・!

「はぁ・・・、雄・・・、苦しい・・・。」

雄は最後についばむようなキスをして唇を放した。

「本当に奈美は可愛いな。キスだけでこんなに息が上がるなんて・・・。」

と言って頭と頬にキスをしてくる。

恥ずかしすぎて早く脱出したかった。

「あっ!おっ、お鍋!見てくる!」

といって雄から離れてキッチンに行った。

ちょうど良いくらいにお鍋はできあがっていた。

「雄!お鍋出来たよ!食べよ!」

ニコニコの笑顔で雄にそう言った。

お鍋をテーブルに運んで、二人で向かい合ってイスに座る。

「いっただっきまーす!」

「・・・いただきます。」

元気なあたしと静かな雄。

さっきの雄が嘘みたい・・・。

「雄?どうかな・・・。」

「うまい、やっぱ奈美が作る飯はうまいな。」

と言ってくれた。

あたし・・・、幸せだなぁ・・・。

< 70 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop