最初最後彼氏!
少したって、花恵さんが携帯をだした。

「お父様。今日はもう帰りたいんですが。はい。今、そちらに行きます。」

どうやら佐山さんにかけていたらしい。

「今日は帰ります。ありがとうございました。」

といって客間を出ていく。

ぜんぜんありがたくねぇ・・・。

長いようで短い時間が終わったとたん、俺は奈美の声が聞きたくなった。

今は・・・、3時か・・・。

もう少ししたらかけてみるか。


部屋に戻って奈美のことを考える。

俺・・・、相当重傷だな(笑)

あいつはもう俺にとってかけがえのない存在となっている。

多分、奈美がいねぇと、俺生きてねぇな。

トントン・・・

は?突然部屋をノックする音が聞こえてきた。

何かと思って扉を開けると親父が立っていた。

「雄、一応言っておくが、花恵さんはお前の婚約者だ。お前は将来あの人と結婚するんだ。分かっているな?」

なんだよ・・・、そんなこと言うためにわざわざ俺の部屋まで来たってわけ?

「婚約者だかなんだかしんねぇけど、俺は、あの人と結婚するつもりはない。」

すると、親父は顔をしかめた。

「お前は会社を継ぐ身なんだ!好き勝手出来るわけじゃないんだぞ!?分かってるのか!」

だったら高杉なんていらない。俺は、奈美と一緒になるためなら家をも捨てる覚悟なんだ。俺だって譲れねぇ・・・。

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