最初最後彼氏!
「・・・花恵さんって、雄の・・・婚約者・・・?」

「あぁ。」

「あぁ」って一言を聞いただけで涙が出そうになる。

「奈美。聞いて?」

切なく、優しすぎる雄の声。

「確かに、花恵さんは俺の婚約者。さっきの人な?でも、前に言ったろ?俺は、奈美と生涯を共に過ごしたい。だから、あの人のことなんかどうでもいい。俺は、奈美のことしか頭にない。奈美も・・・、俺のことだけ・・・、考えてくれないか・・・?」

あたしの頬を片手で撫でながら唇にキスをひとつ落とした。

でも・・・、今は嬉しいとか、悲しいとか、何にも考えれないよ・・・。

頭ん中ぐちゃぐちゃになってきた・・・。

「ね、雄?今日、なんで呼んだの?・・・あたしのこと・・・。」

「奈美を呼んだのは、俺が奈美といたかったから。昨日、結構色んなことあったし、奈美と一緒にいたら回復できるからな。」

と言って微笑んだ。






気づいたよ・・・?あたし・・・。

雄の今の微笑みの裏に、

悲しみが見えたの。

雄が大好きだから。

雄の全部が大好きだから、見えたんだね。きっと・・・。


ねぇ、雄?その悲しみって、何を表していたのかなぁ?

これからのあたし達?

それとも・・・、あたしの心の中、分かっちゃったのかなぁ?

あたし、ずっと雄といたいよ・・・。

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