最初最後彼氏!
なんとなく、花恵さんのこともあってボーっとしてた。

雄が近くにいるのに。雄のこともあんまり考えれない。

「奈美。もしかしてさ、花恵さんのこと考えてる?」

えっ・・・。なんで分かるの?

雄は、あたしが「何で?」って表情なのを読みとったかのように

「だって、花恵さんに会ってから奈美の様子おかしいからさ・・・。
それに・・・、奈美のことならだいたい予想つくから。」

と言って、優しく頭を撫でてくる。

「雄・・・、あの、さ。」

「あたしを捨てたりしないよね?」って聞きたいのに聞けない。

意気地なしだなぁ・・・。あたし。

こんな自分がだんだん嫌になってくる。

「ん?どした?」

顔を覗き込んでくる雄。

「あのっ、・・・っ」

「奈美。言いたいことあるなら何でも言え。俺は奈美を嫌いになったりしないから。」

なんでいつもいつもあたしが欲しい言葉をすぐにくれるの?

「あの、ね?あたしのこと・・・、捨てたりしない・・・?」

答えを聞くのが怖くてうつむいてしまう。

「奈美、顔上げろ。」

少し低い雄の声を聞いて思わず泣きそうになる。

ゆっくりと顔を上げる。

「っん・・・。」

いきなりキスされた。

すぐに離れたけど、顔は近いまま。

「なんで、んなこと聞くんだよ・・・。何回も言ったろ?俺は奈美と生涯を共に過ごしたいって。一生、奈美といたいんだよ。だから、俺が奈美を捨てたりするわけねぇじゃん。」

といって優しく笑ってくれる。

雄の笑顔。

それは、あたしにとって勇気をくれるもの。

「ゆっ、う・・・!」

雄の言葉を聞いて涙がでてきた。

いつもの自分ではあんまりしないけど、雄にギュッと抱きつく。

すると雄も優しく抱きしめてくれる。

もう少し、頑張って雄を信じてみようかな・・・。

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