最初最後彼氏!

近づく闇

『あたし、具合悪いから帰るね。放課後、カバン持ってきてもらっても良い?』

はぁ。美奈にメールを打つだけでも疲れる。

あっ、返信・・・。早いなぁ。

『大丈夫?送っていこうか?』

心配してくれてるんだ。

でも、今は・・・、1人にさせて・・・。

『1人で帰れるし、大丈夫だよ。カバンよろしく♪じゃね』

精一杯明るいメールにしようと思った。

だって、美奈に心配かけれないよ・・・。

『お大事に!また後でね』

こんなにも優しい美奈に・・・、

心配なんて、かけれない。


あっ、そう言えば今日ってバイトの日だなぁ。

バイトは行かなきゃまずいなぁ・・・。

こないだ休んじゃったし。

あっ、でもどっちにしろ一回家帰ってからじゃなきゃ、お金もないし。

あるのは携帯だけだし・・・。

はぁ・・・、帰ろ。

今日って学校行く意味あったかな?

いつもなら、学校で雄と話して、雄を見つめて、雄とお弁当食べて・・・。

笑っちゃうなぁ、あたし。

全部・・・、全部・・・。

雄とのことばっかりじゃない・・・。

そっか、あたしの生活に雄がこんなにも入り込んできてたんだ。

だから、雄とのことしか頭に浮かばないのかな・・・。

でも、あたしは「振られた」んだ。

あたしは雄と「別れた」んだ。

すぐになんて立ち直れないよぉ・・・。

気づけば頬をつたう涙。

いつもなら雄が拭いてくれたのになぁ・・・。



雄。もう少しの間、好きでいさせてください。

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