薔薇部屋
病気と少女
それは平成のとある日

平成には似つかわしい西洋風の一軒家…―その一軒家に少女は暮らしていた

その家の中は、まるで時が止まっているかのよう

外では我々が、当たり前のように過ぎる日常があるのに

ある者は派手、ある者は地味、そんな女子高生達がキーの高い声で笑い話をしながら通り過ぎていく

元気な小学生が危険など気にもせずに、車が何台も通りすぎる道路を走り回っている

そんな平凡な平成の日本の風景

そんな風景が少女…―いや少女というにはもう大人過ぎる、もうすぐ二十歳になるミキにしてみたら、日常風景は憧れの異世界でしかないのだ

そんな時の止まった西洋風一軒家の南側の一室のベッドの上で横たわり、憧れの外を見詰めていた
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