遺伝子【短編】
驚いた様子でジッと俺を見つめた後、お母さんは俺を抱きしめた。

あまりにも力強く抱きしめるから、苦しくなっちゃうよ。



「あなたにも…私の血が流れているのね……」



お母さん??

そりゃあ、お母さんの息子だからね。



「私の遺伝子が……可哀想に…」



もしかして、お母さんにはバレてる?


まぁ、バレてるか。。。


俺は隣のお姉さんの家を覗いた事は有っても、入った事が無いんだから。


それにしても、遺伝子とか何とか言ってたな……


なんだそれ?


「遺伝子??」


俺はさり気なく聞いてみた。
しかし、お母さんは


「一輝は、心配しなくて良いのよ。
私が守ってあげるからね」


そう言ってから、また俺を抱きしめた。

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