嘘つきシャボン玉の恋ゲーム
学校での生活もそうだった。
みんな私に話しかけてくる。
休み時間なんかも、机に集まってくる。
「おはよー。優花ちゃん!」
私に話しかけてくるなくて良いのに。
無視とかは後々面倒だからしないけど。
「おはよう!」
私は笑って答える。
私はしっかり笑えているだろう。
私は嘘つき。
偽善者。
立て前だけ笑って、
人に優しくして、愛想をふる。
私が人の素性を探る情報屋なんて、誰も知る由がない。
この職は、言わば人の裏………汚点を知ることが多い。
なのに 誰も私の裏に気づかない。
表しか見えなくて、裏がわからないなど、
なんてアホなんだろう。
………まあ、バレても困るが。
私の人生はこのまま 人を愛することなく、偽善して生きるだろう。
……蝉の死骸が道端に転がる時期、
私はそう思っていた。
あいつと出会って命がけのゲームをするまでは…