嘘つきシャボン玉の恋ゲーム
「あげたいんでしょ。クッキーぐらいならレシピ無しでも作れるから教える。」
「ほんと!?」
子供みたいに目を瞬かせて「やったぁ」と喜ぶ理恵子。
仔犬じみても見えて、少し可愛いと思った。
「だから早くエプロン寄越せ。」
「はい!優花ティーチャー!」
ティーチャーはいらないし、とツッコミつつも渡された赤いエプロンを手際よく着る。
……そして、小百合が控えめに手を挙げた。
「じゃあ、あたしも手伝うよ!
お菓子なら得意なの。」
「まじで!?ワーイ!!
たしかに、前小百合に貰ったの美味しかったし、
二人が手伝ってくれるなら百人………いや、千人力だよっ。」
本当に調子いいな……こいつ。
さっきの落ち込みは何処へ飛んだんだ?
まぁ、いいか。それが理恵子だしな。
「ふふっ、大袈裟だよ。」
「ほら!理恵子、準備するよ」
「はーい!」
こうして私達はクッキー作りを始めた。