嘘つきシャボン玉の恋ゲーム
「へー。小百合って弟いたんだ?」

「どんな子なの?」

「太陽っていうんだけど………写メみる?」


そして小百合が開いた携帯電話からは 光に透かされている金髪の少年が、いかにも嫌そうにこちらを見ていた。

落ち着いた雰囲気の小百合とは似ても似つかなかった。



「太陽くん………高校生?
その割には童顔だねぇ?」

「中2だよ。」

「は!?
中2でこんな目障りな金にしてるの!?」

「ううん。これ夏休みに撮ったのだから。
今はさすがに地毛の茶色。」


ですよね……。
私が中学の同級生の野田とかも染めてたけど、ここまで眩しい金髪は初めて見た。



「似てないねぇ」
「ほんと。」

私達が口々に言うと小百合は、太陽もお年頃なの…と言った。

その時の小百合はとても優しい目をしていて………。

私はそんな家族に愛されている人が 単純にすごいと思った。
けど、羨ましさは微塵もなかった。
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