車内☆恋愛
「わざわざ来てくれてありがとう」


あたしはサッと立ち上がり

教室に戻ろうとする。


「加賀美…っ」


手を不意に捕まれる。


「な、に?」

「…………いや…」


あたしの心臓はバクバクと騒ぎ始める。

なんで、どうしていま、

あたしの手を掴んだの…?


「…加賀美」

「なに………」

「俺のこと、嫌いなの?」


想像もしていなかった言葉が

啓くんの口から紡ぎ出される。
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