車内☆恋愛
「…ごめん、変なこと聞いて」


手をゆっくり離す。

啓くんの冷たい体温がそっと離れる。


「……嫌いじゃないよ」


あたしは小さくつぶやいた。


「もう行く…ね…」

「ん……」


啓くんは一瞬泣きそうな顔で笑った。

なんで、そんな顔したの…


「じゃあね…」


あたしは今日で啓くんを諦める。

決めたんだ…

これ以上辛い思いしたくない…


「俺も加賀美のこと、嫌いじゃない!」


後ろから聞こえる大きな声。
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