Secret*Hearts

憐に誤魔化しはきかない。

そんなのはわかっていた。
それに、憐にこの話題を投げかけたのはあたし。

意を決して改めて憐を見れば、憐は静かに耳を傾けてくれた。


「あたし、よくよく考えてみたら、憐のことあまり知らないの。
高校に幼馴染が居ることだって、今日、初めて知ったわ。」

「…恵に、何か言われたの?」


憐の問いかけには、首を横に振る。
あたしが彼女に言われたこと、それは今、憐に話すことではない。


「始めて会った日からずっと、憐はあたしの傍にいてくれて、あたしを支えてくれたでしょう。
いつの間にか、一緒にいることが当たり前だと思いすぎて、気にもしてなかったのだけど……。

憐はあたしを、どう思ってるの?]


微かに、でも確かに憐の瞳は揺れた。
でもそれを誤魔化すように、困ったような笑顔を浮かべてあたしから視線をそらすから、それ以上追求することはできなくて。

何故か悲しくなって唇を噛み締めれば、ゆっくりと話し出した憐の声があたしの鼓膜を揺らした。
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