Secret*Hearts
…―――けれど。
「俺は、華梨のことが大好きだよ。
今だって、これからだってずっと、許されるなら華梨の傍にいたい。」
“許されるなら”………
その言葉が重く、のしかかった。
憐が今、あたしに浅井家のお嬢様じゃなく話を聞いてと言った意味が、ようやくわかった。
憐はわかってた。気づいてた。
だからこそずっと、今まで言わないでいてくれたんだ。
曖昧な関係のままだとしても、ずっとあたしの傍に居てくれようとした。
言ったらもう、引き返せない。
想いが通じてしまったら、後戻りはできないから。
困ったように、でも優しく微笑む憐の姿に、ぎゅっと胸が締め付けられた。
見ているのがつらくて憐に抱きつけば、優しいぬくもりがあたしをつつみこむ。
「本当にこのまま、2人でどこか遠くに行っちゃおうか。」
そんな憐の呟きは、闇に浮かんで消えた。
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