Secret*Hearts
Story.2 優しい王子
公園の隅、同じくらいの年の女の子が
声を殺して泣いていた。
「何で泣いてるの?」
びくっと一瞬肩を震わせた彼女は、
俺の存在に急いで涙をハンカチで拭っていたっけ。
「関係ないし、泣いてない。」
素直じゃないのも、気持ちの伝え方が下手なのも昔から。
どうしてだろう。そんなきみに、俺は惹かれたんだよ。
守ってあげたいと、
笑っていてほしいと、
心から想った。