Secret*Hearts
「憐が毎日浅井さんと一緒にいられるのも、だからかなって思って。」
……憐?
「憐?」
「そう、蓮見憐。
私、憐と幼馴染なんだけど、憐って昔から今みたいにおっとりしててさ。
おまけに人見知りだから、特定の人と仲良くなるってなかなか無かったんだよ。」
憐が佐々木さんと幼馴染?
そんな話、一度も聞いたことが無い。
「1年とか2年の頃は、クラスも違ったし、憐に聞いてもはっきり教えてくれなかったから、わからなかったけど。
今年は憐とも浅井さんとも一緒になれて、よくわかった。
……浅井さんって、良くできたお嬢様人形なんだね。」
ぐさっと、胸に何かを突き刺されたような気持ちになった。
だって、どうして初めて話すような子に、わざわざ呼び止められてまでこんなことを言われなきゃならないの。
それでも否定の言葉がすぐに出なかったのは、佐々木さんの言葉が事実だったから。
あたしはただの、パパとママの人形にすぎない。